問題:タレントマネジメントの説明として誤っているものは次のうちどれか
①従業員が持つ様々な能力を一元的に管理する
②実務経験からのキャリア情報よりもセミナー参加などの目に見えやすいスキル情報を重視する
③最大の目的は経営目標を達成することである
④タレントマネジメントの概念はアメリカで生まれた
タレントマネジメントとは、従業員が持つタレントやスキル、経験値などの情報を人事管理の一部として一元管理することによって戦略的な人事配置や人材開発を行うことをいいます。住所、年齢、学歴、職務経歴などの基本的な情報に様々な情報を追加し活用することで、経営戦略に沿った人事戦略を行うことができます。

正解は、②実務経験からのキャリア情報よりもセミナー参加などの目に見えやすいスキル情報を重視する
セミナーの参加等のスキル情報よりも、どんな実務を行い経験を得たかのキャリア情報の方が重視されています。タレント(才能)は、セミナーに参加しただけでは身につかず、実務を通して習得するものです。そのため、タレントマネジメントを行う際は、どのようなプロジェクトを行なってきたのか実務経験を可視化することから始めましょう。
①従業員が持つ様々な能力を一元的に管理する
従業員が持つ様々な情報を人事部や経営層が一言的に管理することで、組織横断的に戦略的な人事配置や人材開発を行うことができます。
③最大の目的は経営目標を達成することである
よく誤解されやすいですが、最大の目標はタレントマネジメントを実施することではありません。タレントマネジメントという手段を用いて、人材の情報を可視化し、経営戦略に活かすことが重要です。そのため、タレントマネジメント起点ではなく、経営課題から考え、課題解決に必要な人材戦略を立てた上でタレントマネジメントを活用すると効果的です。
④タレントマネジメントの概念はアメリカで生まれた
日本では2011年から急激に注目を浴び始めたタレントマネジメントシステムですが、欧米では1990年代からその概念が生まれています。発端はアメリカの大手コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニー(McKinsey & Company)が掲げた「War for talent」(人材育成競争)というキーワードでした。当初は稀に見る非凡なタレントをいかに取り込むかが重要視されていましたが、近年ではグローバル化した人材争奪戦の中でいかに現場のニーズに即したタレントを確保するかが重要となっています。